高額な資産である土地は、活用することで大きな収益を得られる可能性があります。 土地活用は収益を生み出すだけでなく、相続税も節税できることから二重のメリットがある点が特徴です。 もし土地のような高額資産をお持ちであれば、活用しない手はありません。 では、高額資産である土地を有効活用し、安定した収益と節税効果を同時に得るためには、どのような方法があるのでしょうか。 この記事では、「高額資産の土地活用の方法」について解説します。
Point
- 不動産を借家事業に活用すれば、高収益と相続税の節税効果を同時に狙える
- 土地活用を始めるなら、施工会社に相談することが第一歩
- 高額特定資産を利用した消費税節税スキームは、現在利用できない
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      目次 
高額資産を活用した方が良い理由
資産価値の高い土地は、立地の良い物件や面積の広い物件であることが多く、活用方法の選択肢も豊富です。
ここでは、なぜ高額資産の土地を活用した方が良いのかを解説します。
大きな収益が得られる
立地が良く広さのある土地は、活用の選択肢も多く、規模の大きな建物を建てやすいという強みがあります。 例えば、店舗やビジネスホテルなどの賃料単価の高い用途に利用できるほか、賃貸面積も広くなりやすいことから、結果として大きな収益を得やすいのです。
また、家賃収入は毎月の固定収入となるため、長期的な収益の見通しを立てやすい点もメリットです。 さらに、土地活用は金融機関から借入金を組んでできる点も特徴です。 特に優良物件である高額資産は銀行の融資を受けやすい傾向があり、資金面においても活用がしやすくなっています。
相続税の節税効果が高い
土地は、収益物件を建てて活用することで相続税の節税効果が高くなります。 その理由は、収益物件の相続税評価額が一般的に時価よりも低く設定されるからです。
例えば、都心部の物件では時価1億円の物件でも、相続税評価額は3,000~4,000万円程度に下がるケースもあります。 一方、現金資産は額面額がそのまま相続税評価額となるため、現金1億円を保有していれば、そのまま1億円を前提に相続税が計算されてしまいます。
つまり、1億円の現金を収益物件に換えるだけで、相続税評価額を大幅に抑えられ、結果として相続税の負担を軽減できるのです。
高収益と節税の2つが狙える土地活用の種類とは
土地活用の方法には、大きく分けて「借家事業」「借地事業」「暫定利用」の3種類があります。
- 借家事業
 土地オーナーが建物を建て、賃貸マンションや店舗などを貸して家賃収入を得る方法
- 借地事業
 建物を建てる人に土地を貸し、地代収入を得る方法
- 暫定利用
 駐車場や看板用地などの建物所有以外の人に土地を貸し、賃料を得る方法
| 土地活用の方法 | 具体例 | 収入 | 相続税対策効果 | 
|---|---|---|---|
| 借家事業 | アパート、賃貸マンション、貸し店舗、 老人ホーム、ビジネスホテル | 大きい | 大きい | 
| 借地事業 | 事業用定期借地権 | 小さい | 多少あり | 
| 暫定利用 | 駐車場、野立て看板用地、資材置き場、 シェアサイクルステーション | 少ない (場合によっては赤字) | ほとんどない | 
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3種類の活用方法の中で、収入が最も大きく、かつ相続税の節税効果も高いのは借家事業です。
借家事業は、土地オーナーによる建物投資が必要になりますが、その分リターンも大きく、高収益と相続税節税の2つの効果を最大限に発揮できる方法といえます。
高収益と節税を両立させる高額資産の主な活用方法
 
      ここでは、立地の良い土地や面積の広い土地などの高額資産に適した土地活用について解説します。
ビジネスホテル
中心市街地や新幹線の停車駅近くといった立地の良い土地は、ビジネスホテルが適しています。 ビジネスホテルは200室以上確保できる規模で需要が高まり、敷地面積は土地の規制にもよりますが300坪以上あることが望ましいといえます。
商業施設
中心市街地や幹線道路沿いの広い土地であれば、商業施設や貸し店舗としての土地活用が適しています。 中心市街地の医療モールであれば200~300坪前後、郊外型のコンビニであれば400~600坪程度の土地が目安となります。
テナントビル・商業ビルによる土地活用|詳しくはこちら >
    病院・医療施設による土地活用|詳しくはこちら >
    ロードサイド店舗による土地活用|詳しくはこちら >
物流倉庫
都市近郊で高速道路のインターチェンジに近い土地は、物流倉庫が適しています。 土地面積としては、3,000~4,500坪程度が望ましいです。
高齢者施設
利便性は劣るものの、広い土地であれば老人ホームなどの高齢者施設としての活用も選択肢の一つとなります。 一般的に300坪以上の面積が必要とされており、最寄りのバス停から徒歩5分圏内であれば需要が見込めます。
アパート・賃貸マンション
アパートや賃貸マンションは、幅広い賃貸需要があり、商業立地でなくても活用しやすい方法です。 土地の広さは、一般的に60坪以上あると望ましいといえます。
土地活用の進め方
ここでは、高額資産である土地を有効に活用するための基本的な進め方を解説します。
施工会社に相談をする
土地活用を始める第一歩は、ハウスメーカーや施工会社への相談です。
施工会社には通常、一級建築士が在籍しており、法律や条令を遵守した建物を設計することができます。 規制を踏まえた現実的なプランを提案してもらえるため、施工会社への相談は土地活用の実現可能性を正しく把握するうえでも極めて重要です。
また、実績豊富な施工会社は、ビジネスホテルや物流倉庫など事業系の土地活用において、テナント(借り主)を紹介してくれるケースもあります。
提案プランを検証する
施工会社から提案を受けた後、プランを精査・検討します。
土地活用は、店舗や住宅といった用途によって収益性が異なります。 また、住宅系の土地活用でも、間取りを変えると収益性に差が出ます。 そのため、より収益性の高い土地活用を行うには、プランをしっかりと検討することが重要です。
工事に着工し竣工したら賃貸経営を開始する
最適なプランが決まったら、施工会社と請負契約を締結し、工事に着工します。 建物が竣工した後は、いよいよ賃貸経営のスタートです。
安定した家賃収入を得るためにも、入居者募集や管理体制の準備をしっかり整えておくことが成功の鍵となります。
高額特定資産を利用した不動産活用の注意点
税法上の高額特定資産とは、一取引単位につき、課税仕入れに係る消費税抜きの支払対価が1,000万円以上の棚卸資産(企業が販売する目的で一時的に保有する商品や製品、原材料など)、または調整対象固定資産を指します。
調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で、建物・構築物・機械及び装置などが該当し、税抜価格が100万円以上のものが対象となります。
以前は、会社設立後に建物などの高額特定資産を購入または建築して消費税還付を受け、翌期から免税事業者となって消費税課税を免れるという節税スキームが存在しました。 しかし、2016年4月1日以降はこの節税スキームを防止するため、高額特定資産を購入した年を含めて4年間は免税事業者や簡易課税を選択できない規制が設けられました。
つまり、高額特定資産を購入した場合、その後3年間は課税売上が減少しても免税事業者や簡易課税を適用できない点に注意が必要です。
このように、不動産活用において高額特定資産を利用する際は、節税効果だけに注目せず、将来の税務リスクも踏まえて慎重に検討することが重要です。
まとめ
本記事では、高額資産の不動産活用の方法について解説しました。
資産価値の高い土地は、大きな収益が得られるだけでなく、相続税の節税効果も高いため、活用することが望ましいといえます。 中でも、高収益と節税の両方を狙える方法は、土地オーナーが建物を建てて貸す借家事業です。
高額資産を有効活用するには、施工会社への相談が第一歩となります。
高額資産の不動産活用についてお困りのことがあれば、下記よりお気軽にご相談ください。
この記事のライター・監修者
 
          不動産鑑定士
竹内英二
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
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