土地活用の失敗から学ぶ!7の実例と成功のヒントを徹底解説

トチカツplus

2025.02.20

この記事のライター・監修者

竹内英二

不動産鑑定士

竹内英二

土地活用は、建築、税金、賃貸借契約など、多岐に渡る専門知識が求められるため、計画を誤るとリスクが高い分野です。 そのため、土地活用で成功を目指すには、事前に失敗例を学び、注意すべき点を把握することが重要です。 では、具体的にどのような失敗例があるのでしょうか? この記事では「土地活用でよくある7つの失敗例」を取り上げ、失敗を回避し成功をつかむだめのヒントを解説します。

Point

  • 市場のニーズを適切に把握しないと失敗しやすい
  • 最適な土地活用を選択するには、多様な用途を検討することが望ましい
  • 安過ぎず高過ぎない投資の判断をすることが重要である

目次

  1. 土地活用のよくある7つの失敗例
  2. 土地活用で失敗しないための7つのポイント
  3. まとめ

土地活用のよくある7つの失敗例

土地活用を成功させるためには、事前に失敗例を学び、注意点を理解することが重要です。最初に、土地活用でよく見られる7つの失敗例を解説します。

目的が曖昧だった

土地活用において、目的を明確にしないことは失敗の大きな要因です。
土地活用の目的としては、以下のようなものが挙げられます。

【土地活用の目的】

  • 相続税の節税をしたい
  • 当面の間だけ土地を活用したい

土地活用は目的によって選択すべき活用方法が異なりますので、まずは目的を明確にしてから検討することが適切です。

市場ニーズを適切に把握していなかった

土地活用では、市場ニーズを適切に把握していなかったという失敗もあります。

アパートや賃貸マンションの場合

アパートや賃貸マンションであれば、ワンルームやファミリータイプといった間取りは市場ニーズを考慮して選択することが必要です。 たとえば、中心市街地は立地が良いため、ワンルームもファミリータイプも賃貸需要は存在しますが、ファミリータイプは賃貸面積が広いため家賃が高く借り主が決まりにくくなります。
そのため、間取り選びは市場調査を基に最適なものを選定することが大切です。

店舗の場合

店舗の土地活用で見誤りがちな市場のニーズを示すと、以下のような点が挙げられます。

【店舗の市場ニーズ】

  • 店舗の階数による賃貸需要
  • 店舗の貸室空間の好み

1つ目は、店舗の階数による賃貸需要です。
店舗は1階の賃貸需要は強いですが、地下階や2階以上は極端に弱くなります。 地下階や2階以上に店舗区画を作ってしまうと、テナント(借り主)がなかなか決まらず、苦戦してしまうことが多いです。

2つ目は、店舗の貸室空間の好みになります。
店舗区画は内装をせずにコンクリートむき出しの状態(スケルトン)で貸し、内装工事はテナント側で行うことが通常です。 テナントは区画内を自由にレイアウトしたいため、区画内に柱がある物件を極端に敬遠する傾向があります。 立地が良くても、店舗区画内に柱が出ている物件は、テナントがなかなか決まらないことが多いです。

多用な用途の検証をしなかった

土地活用では、多用な用途を検証しなかったことが失敗に繋がることがあります。
多くの人は土地活用といえば「アパート建設」や「賃貸マンション」を思い浮かべがちですが、実際にはその土地の立地や市場の特性によっては、住居系の土地活用よりも店舗や事業系の土地活用の方が収益性が高い場合もあります。

高い利回りを優先し過ぎた

土地活用では、高い利回りを優先し過ぎた結果、失敗に繋がることがあります。 特に、建築費を抑え過ぎることがその典型的な失敗例です。
建築費を抑えれば投資額が減ることから、利回りは高くなります。 しかしながら、投資額を抑えることは建物の品質や仕様を抑えることと同じであり、借り主が決まりにくくなる原因にもなることから、失敗を生み出しやすくなります。

サブリースでも賃料が下がることを知らなかった

土地活用において、サブリース契約を選択した際、賃料が下がることを知らなかったという失敗例もあります。
サブリースとは、転貸契約を利用して、管理会社が一棟全体を借り上げ、さらにその後、入居者へ転借する仕組みです。 特に家賃保証型サブリースは、空室があっても毎月固定の賃料が支払われることが特徴です。 しかし、家賃保証型サブリースでも空室が増えればサブリース会社から家賃の減額要請があるため、家賃は下がります。

建築費の相見積もりを取らなかった

土地活用では、建築費の相見積もりを取らなかったという失敗もあります。 昨今は建築費が高騰していることから、相見積もりを取ることの重要性が以前よりも増しているといえます。

自己資金が不十分であった

土地活用において、自己資金が不十分であったという失敗もあります。
近年、土地活用を行う際にフルローンで資金を調達するのは難しく、多くの場合、建築費の1割程度を頭金として準備する必要があります。 そのため、自己資金が不十分な場合、融資が受けられない、または資金繰りに困るリスクが高まります。

土地活用で失敗しないための7つのポイント

ここからは、土地活用で失敗しないための7つのポイントを解説します。

目的に応じた活用方法を選択する

土地活用を行う際は、その目的に合った方法を選ぶことが重要です。
1つ目は、相続税の節税を目的にする場合です。 この場合、相続税の節税効果が高い活用方法を選ばなければ、失敗につながります。 たとえば、駐車場や太陽光発電、トランクルームなどは、相続税の節税効果が薄いため、適切な選択肢ではありません。 相続税を節税するためには、アパートや貸し店舗など、地主が建物を建てて住居や商売の場所として他人に建物を貸す形態が有効です。

土地活用の種類(バリエーション)|詳しくはこちら

2つ目は、当面の間だけ土地を活用したい場合です。 この場合、貸し主が契約解除しやすい活用方法を選択することが望ましいです。 具体的には、駐車場や資材置き場、シェアサイクルステーションなどの活用方法が、貸し主にとって契約解除が容易な選択肢となります。

市場ニーズを反映した建物にする

土地活用では、地域の市場ニーズを考慮した建物を建てることが成功の鍵です。 例えば、賃貸住宅の場合、中心市街地のように家賃単価が高いエリアでは、面積の狭いワンルームが適していることが多いです。 一方、郊外や周辺部では利便性が低いため、単身者の賃貸ニーズが減り、ファミリータイプでも家賃が低くなることから、ファミリータイプの住宅の方が需要に合う場合もあります。

また、店舗区画を設ける際には注意が必要です。 市場ニーズに応えるために、以下のポイントを押さえると良いでしょう。

  • 店舗区画は1階に限定する
    土地活用は目的によって選択すべき活用方法が異なりますので、まずは目的を明確にしてから検討することが適切です。
  • 当面の間だけ土地を活用したい
    柱がある店舗は借り手に敬遠される傾向があるため、極力柱をなくす設計が推奨されます。

多様な用途の可能性を含めて検討する

土地活用では、一つの活用方法に固執せず、じっくり検討して幅広い選択肢の中からベストなものを選ぶことが望ましいです。
相談の際には、ハウスメーカーからの提案を受け身で受け取るだけではなく、賃貸住宅以外の用途の可能性についても積極的に意見を求めることが適切です。例えば、商業施設や駐車場、資材置き場など、土地の特性や周辺環境に応じたさまざまな用途を検討することで、より効果的な活用方法が見つかる可能性があります。

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必要な仕様を組み込んだ建物を建てる

土地活用では、市場ニーズを満たすために最低限必要な仕様を組み込んだ建物を建てることが重要です。 建築費は、安すぎても高すぎても問題であり、適切なコストバランスを保つことが求められます。 贅沢な設備を施す必要はありませんが、安普請で建てることは避けるべきであり、バランス感覚が求められる部分といえます。

サブリースを選択する場合は賃料下落リスクも理解する

サブリースでも賃料は下落する可能性があることから、サブリースを選択する場合はサブリースのリスクも理解して契約を締結することが必要です。 サブリースを選択すれば安心ということはないため、立地の悪い場所で土地活用を行う場合には慎重な判断が求められます。

相見積もりを取る

土地活用を計画する際は、複数のハウスメーカーに相談し、相見積もりを取ることが望ましいです。 これにより、適切な建築費を知ることができるだけでなく、他の視点や提案を得ることで、より良い活用方法を見つけられる可能性が広がります。

適切な自己資金を用意する

土地活用を行う際は、適切な自己資金を用意することが欠かせません。 具体的にどの程度の自己資金が必要となるか、事前に銀行に相談してから行うことが望ましいといえます。
自己資金が不足している場合は、建物規模を小さくすることも選択肢の一つです。 無理な資金計画は失敗の原因となるため、堅実な資金計画を心がけましょう。

まとめ

以上、土地活用でよくある7つの失敗例と、失敗を回避し成功をつかむだめのヒントについて解説してきました。 代表的な失敗例として「目的が曖昧だった」、「市場ニーズを適切に把握していなかった」、「多用な用途の検証をしなかった」などがありました。 これらのポイントを踏まえ、土地活用を計画する際の参考にしていただけると幸いです。
これから土地活用を検討される方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

この記事のライター・監修者

竹内英二

不動産鑑定士

竹内英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。

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