不動産投資するならアパート!他物件との収益の違いとは?

トチカツplus

2025.06.10

この記事のライター・監修者

竹内英二

不動産鑑定士

竹内英二

不動産投資の対象としては、アパートや区分マンション、戸建て賃貸、一棟マンションなどが考えられます。 中でもアパートは、収益性・リスク・管理のバランスが良く、多くの投資家から人気の投資物件です。 より良いアパート投資を行うには、どのような物件を選べばよいのでしょうか。 この記事では、「アパートの不動産投資」について解説します。

Point

  • アパートは手ごろな価格の物件が多く、相応に高い利回りが期待できる
  • アパートは区分マンションや戸建て賃貸と比べると、空室時の悪影響の度合いが低い
  • アパートは駅近の一低専の物件や築浅物件を選ぶことがコツである

目次

  1. アパートが投資対象として選ばれる理由
  2. アパート投資と他の収益物件との違い
  3. アパート投資に向いている人
  4. 不動産投資で成功するためのアパートの選び方
  5. まとめ

アパートが投資対象として選ばれる理由

最初にアパートが多くの投資家に投資対象として選ばれる理由について解説します。

手頃な価格の物件が多い

アパートは、手頃な価格の物件が多い点が投資対象として選ばれる理由です。
オフィスビルや商業施設、大規模倉庫、大型の一棟賃貸マンションなどと比べると、価格は大きく下がります。 個人投資家でも物件価格が手の届く範囲であり、投資対象として選択しやすいです。

また、投資額が小さければ必然的に投資額に占める自己資金の割合を高くすることができ、安全な投資を実行しやすくなります。

利回りが相応に高い

アパートが不動産投資で選ばれる理由の一つに、「利回りが相応に高い」ことが挙げられます。 アパートの利回りが高くなる背景には、主に以下の2つの理由があります。

  • ワンルームを選べる
  • 建築費が安い

住宅の賃料は、一般的に間取りが小さいほど賃料単価が高くなる傾向があります。
たとえば、3LDKよりもワンルームの方が賃料単価は高いです。 アパートの企画はファミリー向けの3LDKだけでなく、単身世帯向けのワンルームも取り入れやすいため、高い賃料単価を見込むことができます。
また、アパートは低層建築物であることから、木造や軽量鉄骨造といった建築費単価の安い材料を選択することも可能です。

このように、アパートは「賃料単価を上げやすく、建築単価を抑えやすい」という特性を持っているため、結果として投資効率がよく、利回りの高い物件が多く存在します。

相続税対策効果が大きい

アパート投資は、相続税対策のために行われることも多いです。
アパートは、区分マンションや戸建て賃貸と比べると規模が大きいため、借入金の額も大きくなります。 この借入金は相続時にマイナスの資産となるため、相続財産の評価額を減らす効果があり、相続税の節税に寄与します。

収入も相応に大きく、かつ、相続税の節税効果も相応に高いことから、収益性と資産保全の両面でバランスに優れ、投資対象に選ばれやすいのです。

アパート・マンション経営による土地活用|詳しくはこちら

アパート投資と他の収益物件との違い

この章では、アパート投資と他の収益物件との違いについて解説します。

区分マンション投資との違い

アパートと区分マンションとの違いを示すと、下表の通りです。

比較項目 区分マンション アパート
投資額 小さい 大きい
利回り 低い 高い
空室時の悪影響 極めて大きい 小さい

投資額に関しては、区分マンションの方が小さいです。
利回りに関しては、区分マンションの方が低くなります。

区分マンションの利回りが低い理由は、土地価格の高いエリアに建築費の高い鉄筋コンクリート造で建てられている物件が多いためです。 また、区分マンションには管理費や修繕積立金も発生するため、収益が小さくなり、家賃収入から経費を差し引いた実質利回りも低くなりやすいといえます。

区分マンションとアパートの最大の違いは、空室時の悪影響です。
区分マンションの場合、所有するのは基本的に1戸しかないことから、空室が生じるとその期間の家賃収入がゼロ円となります。 もし区分マンションで借入金の返済がある場合は、空室時には自己資金でローンを返済しなければなりません。

一方で、アパートは複数戸からなるため、仮に1戸に空室が生じたとしてもほかの部屋から家賃収入を得られます。 アパートでは多少の空室が発生したとしても、全体の収益への影響は限定的であり、借入金もほかの部屋からの家賃収入によって返済できることが一般的です。

戸建て賃貸投資との違い

アパートと戸建て賃貸との違いを示すと、下表の通りです。

比較項目 戸建て賃貸 アパート
投資額 小さい 大きい
利回り 低い 高い
空室時の悪影響 極めて大きい 小さい

投資額は、アパートよりも戸建て賃貸の方が小さくなることが多いです。
利回りに関しては、戸建て賃貸の方が低い傾向があります。

理由としては、戸建て賃貸の多くが3LDKなどのファミリー層向けの間取りになっている点が挙げられます。 ワンルームタイプのアパートと比べると、ファミリー向け住宅の賃料単価は低く設定されることが多いため、家賃収入に対する投資額の比率が下がり、結果として利回りは低くなります。

また、戸建て賃貸は1戸しかないことから、区分マンションと同様に空室時の悪影響は極めて大きいです。 さらに、戸建て賃貸は賃貸需要の弱いファミリー世帯をターゲットとしているため、一度空室が生じると次の借り主を見つけにくいという性質もあります。

戸建て賃貸では空室が長期化する懸念があることから、借入金を組んで投資を行うとアパートよりもリスクは高いといえます。

一棟マンション投資との違い

アパートと一棟マンションとの違いを示すと、下表の通りです。

比較項目 一棟マンション アパート
投資額 大きい 小さい
利回り 低い 高い
空室時の悪影響 小さい 小さい

投資額は、アパートよりも一棟マンションの方が大きくなることが一般的です。
物件価格が高額になることで投資額が大きくなると、投資額に占める自己資金割合が低くなりやすく、金融機関からの借入比率が高まる傾向にあり、投資リスクが高くなります。

利回りに関しては、アパートよりも一棟マンションの方が低いことが多いです。
一棟マンションの多くは、土地価格の高いエリアに建築費の高い鉄筋コンクリート造で建てられています。 こうした条件により初期投資額が膨らむため、表面利回りや実質利回りが抑えられる傾向にあります。

空室時の悪影響に関しては、アパートも一棟マンションも複数戸からなるため、基本的には同じです。

アパート投資に向いている人

アパート投資は、以下のような人に向いています。

  • 手堅く安全な投資をしたい人
  • 相続対策が必要な人
  • アパートに適した土地を持っている人

とくに注目すべきなのは、すでにアパートに適した土地を持っている人です。
土地を持っていれば、アパート経営に必要なのは建物の建築費用のみとなるため、初期投資を大きく抑えることができます。 その結果、利回りも向上し、投資効果が高まるという大きなメリットがあります。

不動産投資で成功するためのアパートの選び方

不動産投資で成功するためのアパートの選び方

アパート投資で安定した収益を得るためには、物件選びが非常に重要です。
この章では、不動産投資におけるアパートの選び方について解説します。

駅近の「一低専」エリアにある物件を選ぶ

アパート投資をするなら、駅近の「一低専」エリアにある物件を選ぶことをおすすめします。
一低専とは、第一種低層住居専用地域と呼ばれる用途地域の略称で、主に戸建住宅が建てられるエリアを指します。 この用途地域は建築規制が厳しいことから、土地の用途の多様性に劣り、ほかの用途地域と比べると土地価格が安いことが多いです。

駅近でありながら比較的安価に土地を取得できるため、投資額を抑えて優良物件を購入しやすくなっています。

ワンルームを中心に選ぶ

アパート投資では、ワンルームを中心に選ぶことがポイントとなります。 理由としては、ワンルームは単身者向けとして賃貸需要が強く、賃料単価も高いからです。
さらに、ワンルームは空室も発生しにくいことから、家賃が下がりにくく、ファミリータイプよりも高収益を維持しやすいといえます。

築浅物件を選ぶ

築浅物件を選ぶこともポイントとなります。 理由としては、アパートは築年数が浅いほど建物の劣化が少なく、修繕費も発生しないからです。 また、新しいアパートは設備面でも魅力があり、家賃を高く設定できるケースがあります。
アパートは築年数が古くなるほど収益性が悪化することから、築浅物件を選ぶことで高い収益性を長く維持することができます。

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まとめ

以上、アパートを活用した不動産投資について解説してきました。
アパート投資が多くの投資家に選ばれる理由は「手頃な価格の物件が多い」ことや「利回りが相応に高い」ことなどが理由です。 不動産投資におけるアパートの選び方としては、駅近で第一種低層住居専用地域に立地する土地を活用したアパートや、賃貸需要の高いワンルーム中心の構成、築浅で設備が整った物件を選ぶなどが挙げられます。

アパート投資を成功させるには、物件選びから運用計画まで、戦略的に進めることが大切です。 ご自身の目的や状況に合った最適な投資を実現するために、まずは下記よりお気軽にご相談ください。

この記事のライター・監修者

竹内英二

不動産鑑定士

竹内英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。

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