【2026年版】公示地価は上昇傾向│上がった土地・下がった土地の“やるべき対策”を解説

トチカツplus

2026.03.27

この記事のライター・監修者

竹内英二

不動産鑑定士

竹内英二

2026年3月17日、2026年の公示価格が公表されました。 全国の地価動向は全用途平均で5年連続上昇し、上昇幅も拡大しています。 2026年の公示地価の特徴としては、東京都のような地価の高い地域で、さらに高い上昇率を示す地点が多く見られた点です。 もともと「価格」が高い地域で「上昇率」まで高くなる現象はこれまであまり見られず、地価上昇がいよいよ第2フェーズへ移行したと考えられます。 この記事では、こうした背景を踏まえ、「公示価格が上がった土地」をテーマに解説していきます。

Point

  • 価格が高い地域で、上昇率も高い地点が多く見られた
  • 賃料の上昇が、地価のさらなる上昇を後押ししている
  • 郊外でも、強い賃貸需要が広がっていくことが期待される

目次

  1. 公示価格とは
  2. 2026年地価公示の結果の概要
  3. 用途別に見る地価動向の特徴
  4. 地価動向を踏まえた今後のやるべき対策
  5. まとめ

公示価格とは

公示価格(地価公示)とは、国が公表している毎年1月1日時点の土地価格のことです。
全国に約26,000地点の標準地(評価地点のこと)を選定し、その土地単価を毎年公表しています。 公示価格は、不動産取引の指標になるだけでなく、相続税路線価や固定資産税評価額の元になる価格です。 そのため、不動産取引や税金に大きな影響を与える価格です。

2026年地価公示の結果の概要

2026年の公示価格は、全用途平均・住宅地・商業地の全国平均がいずれも5年連続で上昇しました。 全用途平均と商業地では上昇幅が拡大し、一方で住宅地は前年と同じ上昇幅にとどまりました。

令和8年地価公示 第3表 圏域別・用途別対前年平均変動率

画像出典:国土交通省 「令和8年地価公示 第3表 圏域別・用途別対前年平均変動率

全国の地価は、緩やかな景気回復を背景に地域や用途により差はあるものの、三大都市圏では上昇幅が広がり、地方圏でも上昇が継続するなど、全体として上昇基調が続いています。

圏域別に見ると、2026年の公示価格は東京圏の上昇率が最も高くなっている点が特徴です。
一般的に、東京圏のような中心部の地価が高騰すると、需要が郊外や地方へドーナツ状に広がりやすく、来年以降も地価上昇が全国的に波及していくことが予想されます。

用途別に見る地価動向の特徴

この章では、用途別に見る地価動向の特徴について解説します。

住宅地

住宅需要は引き続き堅調であり、全国的に住宅地の地価上昇が継続しています。

令和8年地価公示 (1)変動率上位順位表(全国)住宅地

画像出典:国土交通省 「令和8年地価公示 (1)変動率上位順位表(全国)

東京圏や大阪圏などの中心部では、特にマンション需要が強い地域で地価上昇が継続している状況です。 たとえば、東京圏では東京都港区の港南や赤坂、芝浦、文京区の本郷といったエリアが高い上昇率を示しています。

また、郊外では子育て環境の整備が進み転入者が多い地域で、地価上昇が継続している点も特徴です。 東京圏では、千葉県流山市の地価が大きく上昇しています。
さらに、全国的にはリゾート地域の地価上昇率が特に高く、長野県の白馬や野沢温泉、北海道の富良野あたりが全国の住宅地上昇率ランキングトップ10の中に入っています。

2026年の特筆すべき点としては、全国の住宅地上昇率ランキングトップ10に東京都の地点が6地点もランクインしたことが挙げられます。 前年の2025年は、東京都のランクインはわずか1地点だったため、2026年は大きな変化があったといえます。

通常、上昇「率」は元々地価の低い地域の方が高くなりやすく、地価の高い東京都は上昇率ランキングトップ10に入りにくい傾向があります。
しかし、2026年は元々地価の高い東京都が全国の中でも特に力強く上昇しており、住宅地の地価は新たなフェーズに入ったと考えられます。
地価は中心部が高くなると周辺部の地価も遅れて上がる傾向があるため、今後も住宅地の地価上昇は収まるどころかさらに強まる兆しを見せ始めています。

商業地

商業地は主要都市において店舗やホテルなどの需要が堅調であり、オフィスについても空室率の低下や賃料の上昇傾向を背景に、地価上昇が継続しています。

令和8年地価公示 (1)変動率上位順位表(全国)商業地

画像出典:国土交通省 「令和8年地価公示 (1)変動率上位順位表(全国)

とくにインバウンドが増加した観光地では、旺盛な店舗・ホテル需要を背景に、高い地価上昇が持続している状況です。 たとえば、東京圏では東京都の浅草エリア、大阪圏では大阪市の道頓堀エリアがインバウンドの影響を受けて高い地価上昇を示しています。

また、全国の都市部の商業地では、マンション需要との競合が発生している地域において、高い地価上昇が継続している点も特徴のひとつです。 たとえば、福岡市や秋田市、佐賀市などの地方都市でもマンション用地と競合している商業地では力強い地価上昇が見られました。
東京都でも同様に、中野区や杉並区の商業地はマンション用地としての需要が強く、地価が大きく上昇しています。

工業地

工業地は、好調なインターネット通販市場を背景に、大型物流施設用地に適した地域の土地価格の上昇が継続しています。
また、大手半導体メーカーの工場が進出した北海道千歳市や熊本県大津町では、広範囲で力強い地価上昇が継続しています。
とくに北海道千歳市では、Rapidus(ラピダス)株式会社の進出を契機として、賃貸マンション用地をはじめ、事務所・ホテル・店舗用地への需要が非常に旺盛となっており、工業地だけでなく商業地や住宅地も含めて高い地価上昇率が生じています。

地価動向を踏まえた今後のやるべき対策

この章では、2026年の地価動向を踏まえ、それぞれの地域で今後やるべき対策について解説します。

中心部

2026年の公示地価では、東京都のような中心部ほど高い地価上昇を示す傾向が見られました。中心部に高い地価上昇が生じた理由の一つには、店舗やホテル、オフィスなどの商業用途の賃料が上昇したことが挙げられます。

令和8年地価公示 2.東京圏の商業地

画像出典:国土交通省 「令和8年地価公示 2.東京圏の商業地」を加工して作成

家賃(賃料)は地価に遅れて動くという特徴を持っており、ようやく上昇し始めた家賃は今後もさらに高くなることが期待できます。 また、商業用途の賃料は住宅用途よりも単価が高いことから、土地活用の収益性は商業用途の方が高くなりやすいです。
そのため、中心市街地に土地を所有している場合は、高い収益性が期待できる商業用途での土地活用を検討することが望ましいといえます。

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郊外

2026年は中心部の地価が大きく上昇したことから、今後は住宅需要が郊外へと広がっていくことが予想されます。 実際に東京圏では、東京都の住宅価格だけでなく家賃も高騰しており、その影響で需要が千葉県や埼玉県といった周辺エリアへ広がりつつあります。

郊外でもすでに住宅賃料の上昇が始まっており、今後も家賃上昇が継続する可能性が高い状況です。 そのため、郊外では賃貸マンションやアパートなど住宅用途での土地活用を検討することをおすすめします。

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下落が継続している地域

地価上昇は全国的に広がっているものの、一部では依然として下落傾向が続いている地域も存在します。 こうした地域は、賃貸需要が弱いエリアも多いため、無理に土地活用を行う必要はありません。

しかしながら、地価が下落している地点をよく見ると、総じて下落幅が縮小している地域が多いです。 下落幅が縮小しているということは、以前より需要が回復しつつあり、市場環境が改善していることを意味します。 結果として、売却しやすくなっていると考えられます。 そのため、下落幅が縮小し始めた地域では、売却を検討することが望ましいといえます。

まとめ

以上、公示価格が上昇した土地をテーマに解説してきました。
2026年の公示価格は、東京都を中心とする都心部の土地が高い上昇率を示すという大きな変化がありました。 地価の上昇は第2フェーズに入ったと考えられ、今後も不動産価格は上昇が続くと考えられます。 中心部では商業用途の土地活用、郊外では住宅用途の土地活用、下落が継続している地域では売却のチャンスが広がっている状況です。
公示価格が上がったエリアでの土地活用に関してお困りのことがあれば、下記よりお気軽にご相談ください。

この記事のライター・監修者

竹内英二

不動産鑑定士

竹内英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容には執筆者の解釈や見解が含まれる場合があり、正確性や完全性を保証するものではありません。
具体的な判断や行動にあたっては、必要に応じて専門家へご相談ください。

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