2025年住宅着工戸数!土地活用にどう役立つ?判断材料としての見方を解説

トチカツplus

2026.05.28

この記事のライター・監修者

竹内英二

不動産鑑定士

竹内英二

建築関連の統計資料の一つに、住宅着工戸数という資料があります。 住宅着工戸数は、建築需要の結果を示すデータであり、今後の建築費の値動きを占う重要な先行指標とされています。 また、住宅着工戸数は持家のほか、貸家の着工戸数も公表されていることから、アパートなど賃貸物件の供給動向も把握することができます。 土地活用を検討する際は、ほかの指標とともに住宅着工戸数も併せて参考にすることが望ましいです。 この記事では、土地活用の判断材料として「2025年住宅着工戸数」について解説します。

Point

  • 住宅着工戸数は建築費などの先行指標となる
  • 着工増が必ずしも賃貸需要の増加を反映しているとは限らない
  • 住宅着工戸数はほかの指標とも合わせて活用することが望ましい

目次

  1. 住宅着工戸数とは
  2. 住宅着工戸数で分かること
  3. 住宅着工戸数の活用方法
  4. 住宅着工戸数を活用する際の注意点
  5. 住宅着工戸数の適切な活用方法
  6. まとめ

住宅着工戸数とは

住宅着工戸数とは、新たに着工された住宅の戸数の統計資料のことです。
日本国内で新しく建設される住宅の戸数や床面積について、国土交通省が調査を行い、毎月公表されています。

住宅には持家や貸家、給与住宅(社宅などのこと)、分譲住宅といった分類があります。
材料も木造や鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの分類に分けられて公表されています。
住宅着工戸数は毎年公表されているため、住宅着工戸数の長期的な推移を把握する上で有効な資料です。

住宅着工戸数で分かること

住宅着工戸数は、直接的にはどの地域(都道府県単位)で、どのような種類の建物が何戸建てられているかを把握できます。
また、時系列データとして蓄積されているため、過去の推移を分析できるだけでなく将来の経済動向も予想できる先行指標にもなっています

住宅着工戸数が最も直接的に影響を与える指標は、建築費です。
住宅着工戸数が増加傾向にあれば、建築需要が高まっている状態といえるため、一般的には翌年以降も建築費が上昇していくことが予想されます。

ただし、近年は住宅着工戸数が減っても様々な要因が重なって建築費の高騰が続くケースも見られます。 そのため、必ずしも住宅着工戸数だけで建築費の動向を予想できるわけではありません。

また、住宅着工戸数の増加は土地取得の増加にもつながるため、土地需要の高まりを示す指標にもなります。 その結果、土地価格の先行指標にもなっています。
さらに建築費や土地価格が上がれば、それに遅れて家賃も上昇していきます。
このように住宅着工戸数が増加傾向にある時期は、ほかの景気指標も一般的に上向きに動く可能性が高いといえます。

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住宅着工戸数の活用方法

この章では、住宅着工戸数の活用方法について解説します。

一番有益なデータ

住宅着工戸数は国土交通省のホームページで開示されていますが、複数のデータが存在するため、どれを見るべきかが分かりにくいです。
そのため、まずは一番有益なデータがどれかを知る必要があります。

住宅着工戸数の中でも、土地活用の判断材料として一番活用したいのは、時系列一覧の中にある「【住宅】利用関係別 構造別 建て方別 都道府県別 戸数」というデータです。
国土交通省が公開している該当ページはこちらです。
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/jouhouka/sosei_jouhouka_tk4_000002.html

この「【住宅】利用関係別 構造別 建て方別 都道府県別 戸数」が有益な理由は、「構造」「建て方」「都道府県」「利用関係」といった重要な情報が全て含まれている点にあります。
そのため、この上記データを活用することで、「どのような建物が」「どの地域で」「どれくらい建てられているのか」を、より詳細に分析することが可能になります。

土地オーナーの見るべきポイント

ここでは、土地オーナー向けに「【住宅】利用関係別 構造別 建て方別 都道府県別 戸数」(以下、データA)の見るべきポイントについて解説します。

建築着工統計調査報告 時系列一覧

画像出典:国土交通省 「建築着工統計調査報告 時系列一覧」の「年計 令和7年分 【住宅】利用関係別 構造別 建て方別 都道府県別 戸数」を基に作成

データAは、年ごとにシートがあり、各年シートでは都道府県別の住宅着工戸数が記載されています。
各都道府県においては、さらに持家や貸家などの利用関係別に住宅着工戸数が記載されています。
土地オーナーにとって特に重要なポイントは、とくに貸家の住宅着工戸数に着目することです。

利用関係別の住宅着工戸数は、木造や鉄筋コンクリート造などの構造別に大別され、さらに一戸建てや共同住宅といった建て方別に細かく区分されています。

建築着工統計調査報告 時系列一覧

画像出典:国土交通省 「建築着工統計調査報告 時系列一覧」の「年計 令和7年分 【住宅】利用関係別 構造別 建て方別 都道府県別 戸数」を基に作成

貸家のうち、木造や鉄骨造の共同住宅は、概ねアパートの戸数であると考えることができます。
一方で、貸家のうち鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造の共同住宅は、概ねマンションの戸数である可能性が高いです。

分析の際は、対象とする都道府県と物件の種類を定めたうえで、前年データと比較することで増減の傾向を把握できます。
また、共同住宅については「床面積の合計」を「戸数」で割ることで、1戸あたりのおおよその専有面積も算出することが可能です。

住宅着工戸数を活用する際の注意点

住宅着工戸数を活用する際の注意点


この章では、住宅着工戸数を活用する際の注意点について解説します。

都道府県単位なので粗過ぎる

住宅着工戸数は地域の単位が都道府県ごとに集計されているため、自分がアパートを建てたいエリアにおける賃貸物件の供給状況を把握するには、粒度が粗いというデメリットがあります。

アパートを建てる際、周辺エリアで供給過剰になっていないかを事前に把握することが重要です。 しかし、都道府県単位の住宅着工戸数の増減だけでは、物件を建築予定の周辺エリアの詳細な供給状況まで把握することはできません。
そのため、より正確に供給状況を把握するには、現地を実際に確認することに加え、エリアを絞って賃貸物件の募集状況をインターネットで調査することが必要です。

着工増と賃貸需要が合致しているとは限らない

貸家の着工数は、増加しているからといって必ずしも賃貸需要の増加と一致しているとは限らない点に注意が必要です。
土地活用は、賃貸需要への対応だけでなく、相続税対策を目的に行われることもよくあります。 そのため、賃貸需要が増えていなくても、相続税対策を目的にアパートを建築する人が増えれば、貸家の着工数は増加します。
つまり、貸家の着工数の増加だけでは、賃貸需要の増加は推し量れないということになります。

投資採算性まではわからない

住宅着工戸数は、あくまで新築される物件の戸数を表しているデータであり、建築費や賃料の情報は含まれていません。
そのため、投資の採算性までは判断できない点に注意が必要です。
つまり、住宅着工戸数が伸びているからといって、必ずしも収益性が高いとは限りません。
投資採算性を正確に把握するためには、最終的に物件ごとにシミュレーションを行って把握する必要があります。

住宅着工戸数の適切な活用方法

この章では、住宅着工戸数の適切な活用方法について解説します。

ほかの指標とも合わせて検討する

住宅着工戸数は、家賃指数や世帯数、建築費デフレーター(建築費を指数化したもの)など、ほかの指標と合わせて検討することが必要です。
たとえば、住宅着工戸数が増えても世帯数が減っていれば都道府県レベルで供給過剰になっていると推測できます。

先行指標として利用する

住宅着工戸数は、将来の市場動向を読み解くための先行指標として活用することが適切です。
近年、日本全国の貸家の着工戸数は微減・微増を繰り返し、ほぼ安定した供給量を維持しています。
急激な増加が見られないことから、新築賃貸物件の希少性はこれからも維持される可能性が高いと考えられます。
このように、住宅着工戸数は将来の不動産市場や賃貸需要の予測に活用するうえで、有益なデータといえます。

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まとめ

以上、土地活用の判断材料として2025年住宅着工戸数について解説してきました。
住宅着工戸数は建築費の先行指標となるだけでなく、不動産市場や景気動向を読み解くための先行指標にもなり得る重要な統計データです。

住宅着工戸数の中でも、「【住宅】利用関係別 構造別 建て方別 都道府県別 戸数」が最も有益な資料となります。
住宅着工戸数を利用するにあたっては、家賃指数や世帯数などのほかの指標とも組み合わせて検討し、先行指標として活用することが適切です。

また、個別の土地活用や投資判断については、建設会社などの土地活用の専門家に相談することが望ましいです。 土地活用の判断に関してお困りのことがあれば、下記よりお気軽にご相談ください。

この記事のライター・監修者

竹内英二

不動産鑑定士

竹内英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容には執筆者の解釈や見解が含まれる場合があり、正確性や完全性を保証するものではありません。
具体的な判断や行動にあたっては、必要に応じて専門家へご相談ください。

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