節税対策にも!不動産管理を法人化するメリットを解説

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不動産による収入がある方であれば、節税に有効な方法として「不動産管理を法人化するとよい」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。 しかし、節税ができるとはいえ、法人化となるとハードルが高いと感じる方も多いでしょう。 この記事では、不動産管理を法人化することで、どのようなメリットがあるのか、節税が可能となる仕組みについてご紹介します。

Point

  • 不動産管理を法人化することで節税ができる
  • 節税できるのは「所得税」と「相続税」
  • 費用倒れにならないよう、不動産所得1,000万円が法人化のライン(※所得=収入-経費)

目次

  1. 不動産管理会社を設立するメリット
  2. 不動産管理会社を設立するタイミングと流れ
  3. 不動産管理を法人化することはメリット多数!

不動産管理会社を設立するメリット

不動産管理を法人化することは、節税対策として有効です。
なぜ節税ができるのか、税制上のメリットを3つご紹介します。

課税負担が減るため節税できる

「個人」における所得税法と「法人」における法人税法では、課税方法が異なります。
所得税法では累進課税制度が採用されており、簡単に言えば「高い所得には高い税率、低い所得には低い税率」が課されることになります。 個人オーナーであれば、収益が多ければ多いほど、高い税金が課せられるのです。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円超 330万円以下 10%
330万円超 695万円以下 20%
695万円超 900万円以下 23%
900万円超 1,800万円以下 33%
1,800万円超 40%

出典:国税庁 「所得税の税率」

一方、法人税は、おおよそ一律の税率です。住民税や法人事業税などそのほかの税率を考慮しても、収益が大きくなる場合は、法人化することで節税できるでしょう。

資本金が1億円以下の中小法人の税率

●年間所得が800万円以下:15%
●年間所得が800万円超:23.4%(平成30年4月1日以後開始事業年度は23.2%)

中小法人以外の税率

23.4%(平成30年4月1日以後開始事業年度は23.2%)

出典:国税庁 「法人税の税率」

家族への給与を経費として計上できるため節税できる

不動産管理を行うとき、事務作業などをほかの家族に手伝ってもらうこともあるでしょう。法人ではなく、個人オーナーとして不動産投資を行っているケースでは、原則、家族への報酬(給与)は必要経費として計上することは不可です。

そこで、不動産管理を法人化して、家族を役員や従業員として業務に携わることとなれば、給与は法人の経費として計上ができるようになります。また、給与だけでなく、不動産事業について喫茶店などで打ち合わせをした場合も打ち合わせ代は必要経費として認められるのです。
つまり、個人オーナーでは利益を得た場合にオーナー1人に課税されますが、法人化することで、家族(役員)に給与を支払う形となり課税対象を分散することが可能となるのです。

所得税は、所得が高くなるにつれ税率が高くなることから、家族を役員としてそれぞれ給与を支払うことで、一人ひとりの税率を下げることができ、結果節税となります。

贈与税や相続税がかからず節税できる

年間110万円を超えて贈与すると贈与税が発生し、200万円以下で税率10%となります。
一方、所得税について考えてみると、給与所得として分配した場合、年間103万円以上であったとしても、課税所得額が195万円以下であれば税率は5%です。所得控除なども含めて考えると、給与として分配する方が節税になることがわかるでしょう。

不動産管理会社を設立するタイミングと流れ

不動産管理会社を設立するタイミングと流れ

ここまで取り上げたメリットを見ると、不動産管理を法人化すれば節税できることがわかりますが、すべてのオーナーがそのメリットを得られるわけではありません。

法人化するには、さまざまな費用がかかるため、収益が少ない状態で法人化をしてしまうと、費用倒れになってしまうケースがあります。ここでは、不動産管理を法人化するために必要な経費と、タイミングについて見てみましょう。

法人化に必要な主な費用

  • ●登録免許税:株式会社は15万円
    (合同会社は6万円)
  • ●会社印鑑など:1万円から
  • ●定款認証手数料:5万円
  • ●定款印紙税:4万円(電子定款0円)
  • ●定款謄本代:約2,000円
  • ●登記簿謄本や印鑑証明代:約1,000円
  • ●司法書士や行政書士などの手数料:5万円から
  • ●社会保険料や毎年の法人税申告費用
    (決算費用)など

法人化で必要な手続きは原則個人で行うことが可能です。
しかし、自信がない場合や時間がない場合、司法書士や行政書士など専門家に依頼するとなれば、その費用も必要となります。また、法人化すれば、社長ひとりであっても健康保険と厚生年金保険への加入が義務となります。国民健康保険や国民年金と比べると高額となるため、その分の費用負担も考慮しましょう。

法人化するタイミング

上記の費用負担を考え、費用倒れにならないラインは、家賃収入が2,000万円以上で、諸経費を引いた利益である課税所得が1,000万円以上と言われています。
. このラインに満たない状態であれば、収入が赤字になってしまっても税金を払い続けることになるため、法人化のメリットはないと考えてよいでしょう。

不動産管理を法人化することはメリット多数!

不動産管理を法人化することは、所得税や相続税の面から節税に有効であることがわかりました。ただ、法人化するにはさまざまな費用が必要であるため、家賃収入2,000万円以上、課税所得1,000万円以上を目安に費用倒れにならない状態で法人化に踏み切りましょう。

不動産管理の法人化を検討している方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

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